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第1章 はじめに

1.1 本書の目的と対象読者

本書は、Windows 10またはWindows 11のパソコン上で、Linuxの環境を手軽に作り、そこでDockerを使ってアプリ開発をしたいと考えている初心者を対象としています。WSL2やLinux(Debian)の基本的なコマンド操作が初めての方でも、記述された手順通りに進めるだけで、安全かつ確実に開発環境を構築できるように解説します。

Windows上でDockerを動かす方法としては「Docker Desktop」というソフトウェアを導入する方法が有名ですが、会社の規模によってはライセンスが有料になる場合があります。本書では、規約の制限なく完全無料で使えるようにするため、WSL2内のDebianに直接「Docker Engine(オープンソース版)」をインストールして運用する方法を選択します。

1.2 WSL2・Debian・Docker Engineを組み合わせるメリット

WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)を使用することで、Windowsのシステムの中で本物のLinuxカーネルを動かすことができます。これにより、パソコンの動作を重くすることなく、非常に高速かつ軽量にLinuxのソフトウェアを動かすことが可能になります。

Debianは、Linuxディストリビューションの中でも歴史が古く、動作の安定性に優れているのが特徴です。余計なプログラムが初期状態ではインストールされていないため、システム全体を軽く保つことができます。

このDebian環境にDocker Engineを直接インストールすることで、仮想マシンを別で起動するような無駄な処理を挟まずに、Linux本来の処理スピードでコンテナを動かすことができます。これにより、本番環境のサーバーとほぼ同じ構成を自分のパソコン内に素早く構築し、開発やテストを快適に進められるようになります。